効率化が進む社会の中で変化する葬儀の形

2020/03/11

拡大が少なくなり、効率を重視する社会に

現在の社会の中ではコストパフォーマンスという言葉が非常に重視されています。効率化ということを企業だけでなく個人も強く意識するようになってきているのです。無駄を省くことに徹底し、支出を極力嫌うというのが現在の風潮です。
その背景にはこれ以上の消費が拡大しにくいということがあります。単純に人口が増加傾向のときには単価が変わらなくても単位が大きくなるため、消費は拡大していきました。しかし少子高齢化が進み、人口の減少が始まっている今、社会全体が消費の拡大よりも効率化を求めています。

要るもの、要らないものを判別する

効率化のひとつの方向性として、必須ではないものを省くというものがあります。日本の葬儀は以前に一度こうした効率化が進められたことがあります。それは大正時代のことです。現在はなくなった葬儀の風習として、葬列があります。葬列とは自宅で葬儀を行ったあとに、埋葬場所や火葬場まで列をなして故人を送るというものです。
こうした葬列というものは非常に費用がかかるものであり、葬列を行うことによって家が傾くこともしばしばありました。そうした状況を避けるために葬列そのものが少しずつなくなっていったのです。

華美すぎる点を省いていくという葬儀の変化

それに代わって行われたのが告別式でした。告別式はもともと葬列の後に埋葬する場所で最後の別れをする式でした。それが、次第に規模が大きくなっていき、式場で出棺する前に行う現在のような告別式の形になっていったのです。
そして現在では葬儀そのものの規模が問われるようになりました。効率化を図るなかで、そもそも葬儀が必要なのかどうかということが考えられたのです。
多くの華美な葬儀は、遺族のためでなく、家の外である世間に向けて行われたものです。それをもう一度考え直すことによって葬儀の意義、形式というものが修正されていったのです。

家族葬は親しい人だけで行う、内側へ向けての葬儀

現在では家族葬というものに興味を持っている人が非常に多くいます。これは特別な形式の葬儀ではなく、従来の葬儀の形ではあるものの、参列者を一般弔問客まで広げるのではなく、家族や親類、そしてごく親しい友人のみに限って執り行うというものです。
この葬儀は、外に向けて葬儀を行っているのではなく、内に対しての葬儀の形です。本当に親しい人間だけで本人との最後の別れをするというのが家族葬の主な目的です。
効率化を進めていくと本当に必要なものだけが残っていきます。葬儀というものを効率的に行っていくことを考えたときに現れた形は家族葬でした。
葬儀にはさまざまな人の思いがあります。本当に親しい人だけで故人との別れの時間を過ごす、というのが葬儀に本当に必要なものなのかもしれません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA